肺炎予防接種
定期肺炎予防接種(肺炎球菌ワクチン)
平成26年10月1日から、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、国が一定の年齢で接種をすすめている「定期予防接種」となりました。
肺炎を予防するためには、うがい・手洗いなどを日常的に行うことが必要ですが、予防接種により肺炎予防を強化することができます。(※すべての肺炎を予防できるわけではありません。)
定期予防接種ワクチンの効果
肺炎球菌には約90種類以上の型があり、現在の定期接種で使用されるワクチンでは23種類の型に対して免疫をつけることができます。 1回の接種で多くの型に対し有効な免疫が得られ、その免疫は持続し約5年続きます。5年目以降も効果は残っており、個人差もありますが、長い方で8〜10年ほど抗体が維持されることがあります。
接種後は、注射部位の腫れ、痛み、ときに軽い熱がみられることがありますが、多くは数日で改善し、日常生活に支障をきたすほどではありません。
接種により、重症化や敗血症・髄膜炎などの侵襲性感染症のリスクを減らすことが期待されます。
定期肺炎予防接種:費用
定期予防接種の対象の方は、費用の一部負担で接種できます。
福岡市在住の方は4,200円です。
福岡市以外の福岡県在住の方も当院で接種できます。負担金の詳細等は、お住まいの市町村窓口へお問い合わせください。
ご来院の際は氏名・居住地を証明できるもの(マイナンバーカード、健康保険証、介護保険証、運転免許証など)を必ずご持参ください。
当院は福岡県予防接種広域化実施医療機関です。
定期肺炎予防接種の対象となる方
定期接種の場合、原則として1人1回のみです。
「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を使用いたします。子どもに対する肺炎球菌ワクチンとは異なるので、ご注意ください。
- 2025年(令和7年度)以降、定期接種の対象は、65歳の方(その年度に65歳になる方) となります。
- 60~64歳の方で、心臓、腎臓または呼吸器の機能に重い障害があり、日常生活に著しい制限がある方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に重い障害があり、日常生活がほとんどできない方も対象となります。
- ※過去に、公費助成による定期接種を受けた方は、原則としてこの制度の対象外です。
定期肺炎予防接種に該当しない方(任意接種)
定期接種の対象外の方、または過去に肺炎予防接種を受けて5年以上経過し再接種を希望される場合は、公費助成がなく全額自己負担となります。患者様のご希望があり、接種可能と医師が判断できた場合に自費接種となります。
- 「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」
当院では1回8,000円(税込)(自費診療)で接種しています。
ご希望の場合は事前にお電話でご連絡ください。 - キャップバックス(21価肺炎球菌結合型ワクチン)
「キャップバックス」は、2025年10月に発売された、成人の肺炎球菌感染症の予防を目的とした 21価肺炎球菌結合型ワクチンです。1回の接種で完結するとされ、これまでのワクチンよりもカバーする血清型の種類が多いことが特徴です。
【特徴】
当院では15,400円(税込)(自費診療)で接種しています。
予約制のため、ご希望の場合は必ず事前にお電話でご連絡ください。
成人に特化: 成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因菌の血清型を80.3%カバーします。
1回接種で完結の可能性:1回の接種で非常に長期間(あるいは一生涯)の予防効果が続くが得られると期待されており、複数回の接種や5年ごとの再接種が不要になる可能性が示唆されています。(※今後の正式な評価を待つ部分があります)
幅広いカバー率: 21種類の血清型に対応し、これまで対応できなかった菌種にも効果が期待されています。
【対象者】
主に50歳以上の成人、特に65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方への接種が想定されています。

