当院における糖尿病診療について
当院では糖尿病診療に力を入れております。
現在、非常に多くの患者の皆様が来院され、日々診療にあたらせていただいております。私は患者の皆様に、それぞれの個性に応じたテーラーメードの治療(個人の遺伝的背景、社会的心理低背景などに合わせた個別の治療)を行うこと、そして最適のアドバイスを考え糖尿病をかかえたつらい状況をサポートしていくことが大事と考えています。
個人個人のライフスタイルは全く違うわけですし、遺伝的特徴(例えば太りやすい体質かどうかなど)を推測して、さらにその方のおかれている社会的状況、心理的ストレスの状況などをかかりつけ医として把握して、基本的にはご自身で自分なりの食事療法、運動療法を考え出してもらってそれを私はサポート・アドバイスしながら治療するという形が主になっています。
治療自体がストレスにならぬよう受け入れていただくかが私のなすべき仕事です。
糖尿病の治療の基本は食事・運動療法ですが、当院では基本的知識は持ってもらうよう致しますが、必ずしも画一的なやり方では行わず、これも個性に合わせた方法でアドバイスするよう考えています。
さらに糖尿病治療薬が日々飛躍的に進歩しており、良い治療薬の種類も増えてきており、これらを各患者の皆様に合わせていかにチョイスしうまく組み合わせて治療していくかが私の重要課題です。
また糖尿病では高血圧症、高脂質血症(脂質異常症)を合併することが多くこれらに対する適切な治療が不可欠です。糖尿病による網膜症、神経障害、腎臓の障害、さらに心筋梗塞、脳梗塞、他の動脈硬化性疾患の予防や再発悪化の予防なども重要な課題です。
当院ではそれぞれの問題にすばやく対処できるよう体制をととのえています。
院内での検査はもちろんですが、必要に応じた病診連携(総合病院への紹介)もそのひとつです。
私は学生時代から代謝学、栄養学に興味をもち、医師になって研修医を終了後、九州大学第3内科(現 病態制御内科)で糖尿病研究室に入り、糖尿病の臨床と、糖尿病血管合併症の基礎研究で医学博士号を取得しました。
しかしながら私は基礎研究より臨床指向で、医師となってからはほとんどの時間を好きな臨床に費やしてきました。北九州医療センター糖尿病センター、県立嘉穂病院(現 済生会福岡第二病院)、済生会福岡総合病院(糖尿病診療のみならず、あらゆる内科疾患、救命救急業務に携わる)で、多くの糖尿病患者さんの診療にあたらせていただき、貴重な臨床経験を積ませていただきました。
それを基礎にクリニックを開業して十数年、糖尿病診療でも多くの患者の皆様と出会い、治療あるいはサポートあるいはアドバイスといったことを続けてきました。
開業後は、国際的な標準的治療を念頭に置きつつ、自分がつんできた多くの経験も加味して診療の質を向上させる努力をしてきました。
現在ではよりプロ的な見方で診療をしていくことができると自負しております。
当院では糖尿病患者さんの診療は落ち着いた状況では原則的に月1回としています。(場合によっては2ヶ月に1回にすることもあります)
検査内容は血糖値、ヘモグロビンA1c(過去1ヶ月の血糖の平均状態)検尿が主です。
血糖値とヘモグロビンA1cは耳タブより一滴の血液を採取するだけで測定でき、最新鋭の高精度のアークレイ社製HPLC測定器で48秒で結果がでます。
さらに、数ヶ月に1回はコレステロールや中性脂肪、肝機能や腎機能などを含めた総合的検査を行い、神経障害(自律神経を含む)のチェックは随時、血管年齢や頚動脈の動脈硬化判定を半年から1年に1回、デジタル眼底カメラ(無散瞳で可能)を定期的に行い、異常の程度で必要に応じ専門の眼科を紹介しています。
すでに眼科で診てもらっておられる方も眼科よりの情報提供書をいただくようにしています。
動脈硬化に関しては血管年齢の測定(血管の硬さ)をして動脈硬化の程度を判定したり、カラードップラーエコーによる頚動脈エコーで頸動脈の壁の厚さ(IMT)を測定したり、プラークというコレステロールの塊が頸動脈に存在しないかなどを調べます。
提携病院にて脳MRI,MRA,頚動脈MRA、下肢動脈MRA、内臓脂肪面積の測定を行い参考とします。
さらに、狭心症の検査とした、連携病院にてトレッドミル運動負荷、心エコー、心臓冠動脈CTを施行して、異常が疑われる場合は心臓カテーテル検査で冠動脈の狭窄を確認して、必要に応じた治療を受けてもらいます。
1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の場合はもちろんですが、2型(インスリン非依存型糖尿病)の方にも必要と考えれば躊躇なく積極的インスリン治療を導入していきます。
これは近年、インスリン注射剤とその器具の進歩で外来でも容易に導入が可能となったからです。
さらに、できるだけ多くの方に自己血糖測定を家庭で行っていただき、コントロール状況の把握に努めています。
インスリン治療中の方は血糖測定器は無料でお渡しし、測定用チップは保険適応でお渡しします。
インスリン治療以外の方も、当院では血糖測定器を永久貸し出しという形で無料でお渡しし、血糖測定チップ(1回分100円から130円)は薬局で必要な分だけ購入してもらいます。
当院に来院されておられる患者さんのヘモグロビンA1cの平均値は6.8%程度でこれは一般的な施設の平均より良いと自負しています。
繰り返しになりますが、当院の治療スタイルは私と患者さんが同じ方向を向いて、ともに考え、かかりつけ医として糖尿病以外の全身を心身まるごとでみていく、一人一人にあわせたオーダーメード医療を実現させていくことであります。
